キャッシュレス入門! ポイント還元、お得情報、政府方針は?

キャッシュレスと聞いて、みなさんは何をイメージしますか?

もう日常的に使っている人も多いと思います。一方で、まだ使ったことがない人、ちょっと気になってるけど、どこから始めればいいの?という人も多いのではないでしょうか

今日は、特に初心者の方を対象に、もしかしたら、よく使っている人にも役立つ情報をお届けします。

いまさら聞けない、キャッシュレス入門情報です!

■ キャッシュレスとは? 財布を持たずにお買い物!

キャッシュレスとは、現金を使わずに、カードやスマホなどを使ってお金を支払う、決裁のことです。

身近なところでは、交通機関で使う、定期券や交通カード。SUICAやPASMOなど、各地で呼び名は違いますが、みんな同じような形をしていますね。改札にかざすだけで、決裁が済みます。同じカードをお買い物でも使えるお店が増えています。自動販売機でも使えたりして、とっても便利ですね。

クレジットカードや、最近増えてきたQRコードを使ったLINE PayやPayPay、楽天ペイなどもキャッシュレスの一種です。

狭い意味では、そういった、現金を使わない決裁手段のことをキャッシュレスと呼びます。

ここでは、さらに未来のライフスタイルまで広げて考えてみましょう。そもそも、出かけるときに現金を持たない、財布も持たない、スマホ1つでお買い物、それがキャッシュレス時代の新しいライフスタイルです。それでは、新しいキャッシュレス時代がどのように到来しようとしているのか、見ていきましょう。



■ キャッシュレス化のメリット、デメリット

キャッシュレス化にはメリットが多いものの、デメリットもあります。それぞれ見ていきましょう。

キャッシュレス化のメリット

消費者(買い物客)にとって

  • お財布を持ち歩かないので、楽ちん
  • 家計簿に自動連動するサービスで、お金の管理が簡単
  • カードを無くしても、保証される仕組みがある

一旦、キャッシュレスを体験すると、すごく楽なので、使いづける人が多いようです。特に若い人にとっては、もうキャッシュレスが当たり前。お財布が小銭でパンパンなのは、イケてない。そんな時代になってきました。

スマホだけで決済できるので、まさにスマホさえあれば生きていける時代なのかもしれませんね。

お店(企業)にとって

  • お気楽に買い物できるので、消費(売上)が増える
  • 現金紛失や盗難などのトラブルが減る
  • お店で現金を扱う手間が削減できる
  • 業務効率化で、働き方改革や人手不足対策にも貢献できる
  • インバウンド対策など、来日外国人対応ができて、売上アップにつながる
  • 効率化してできた時間で、より充実した接客ができる
  • 売上管理システムとの連動が簡単になり、より高度なマーケティング施策につなげることができる

お店にとっての最大のメリットは売上が増えることでしょう。新しい客層が増える、ついで買いが増える、など。お店の売上アップのチャンスは格段に増えそうです。

また、現金を扱わないことによるトラブル減少は大きなメリットですね。従業員が持ち逃げしたり、つり銭をごまかしたり、そんなトラブルはもうありません。

お店の業務で、現金を数えたり、確認する時間は意外に多いもの。現金がなくなることで、業務時間はかなり削減されると言われています。空いた時間を接客に使ったり、残業削減など、働き方改革にもつなげられます。

キャッシュレス化のデメリット

消費者(買い物客)にとって

  • やっぱり現金がないと、落ち着かない
  • 間違えたり、無くしたら、多額のお金を失うのではと不安
  • 慣れないうちは、カードを出したり、スマホを操作するのが手間に感じる

消費者にとってのデメリットは、なんとなく不安といった、心理的なハードルが一番大きいかもしれませんね。スマホやカードに対して、まだ慣れていないということでしょう。一方で、高齢者向けにポイントを強化したカードもあります。何かの機会に、ちょっと使ってみれば、不安感などデメリットは解消できるかもしれません。

お店(企業)にとって

  • 導入費用がかかる
  • 決裁事業者に支払う手数料がかかる
  • 入金に時間がかかり、資金繰りが難しい

お店にとっては、費用の問題が大きいですね。このあたりは、政府も考えています。後の方で説明していますので、そちらを見てください。



■ キャッシュレスの新しいタイプ、種類、シェア・比率、比較情報

では、キャッシュレスの種類をザックリ確認しておきましょう。

支払い形態で一般的には、以下のように分類されます。

  • プリペイド(前払い):電子マネー
  • リアルタイムペイ(即時払い):デビッドカード
  • ポストペイ(後払い):クレジットカード

QRコードを使う、いわゆるQRコード決裁には、スマートフォン(スマホ)のアプリを使うものが多いです。消費者(お買い物する人)が自分のスマホにQRコードを表示させるタイプと、お店に置いてあるタブレットやスマホにQRコードを表示させたり、QRコードが印刷された紙が置いてあって、消費者がスマホで読み取るタイプ、などがあります。

QRコードを使うもには、LINE Pay(ラインペイ)、楽天ペイ、Origami Pay(オリガミペイ)、PayPay(ペイペイ)、メルペイ、ドコモ「d払い」など、多くの企業が独自のサービスを展開しています。前払い、即時払い、後払い、それぞれあるので、ややこしいですね。お金に余裕のある人はいいのですが、気になる人は、各サービスで引き落としのタイミングを確認しておいた方がいいでしょう。



■ キャッシュレス後進国の日本、キャッシュレス決済比率を上げるには?

QRコードを使った事業者は、それぞれ利用者拡大のために、キャッシュバックキャンペーンを大々的にやっています。

最近では、LINE Payの300億円キャンペーン。昨年は、PayPayの100億円キャンペーンが話題になりました。

なぜ、こんなに多額のキャッシュバックをするのでしょうか?

たとえば、LINE Payの300億円キャンペーンでは、1人が受け取れる上限は1000円でした。つまり、3000万人が受け取るまでキャンペーンが続く計算になります。(3000万人×1000円=300億円)日本の総人口の約4人に1人がLINE Payを使える状態になります。こうして、まず多くの人が使える状態にすることが、普及の第一歩というわけです。

お店側から見れば、使える人が少ないうちは、お店で対応しても、売上にはつながらない。決裁用の設備を導入する初期投資を、どれだけの期間で回収できるかが、お店側としてはハードルだったのです。

約4人に1人がLINE Payを使えるとなれば、お店側としても、そろそろ導入しなきゃという気になりますね。

日本のキャッシュレス決済比率は、約18%(2015年)で、世界でも最もキャッシュレス後進国と言われています。でも実は、裏話があって、この統計には、銀行の口座引き落としは含まれていません。電気、ガス、水道などの料金を集金で払っている人は少ないでしょう。銀行引き落としかクレジット決済が一般的になっています。会社の給料も銀行振込が普通ですよね。これらを含めると、日本のキャッシュレス決裁率は既に40%を超えるそうです。

そうは言っても、店舗での決済手段と言う意味では、統計通りなのでしょう。お財布を持ち歩くのが普通の日本。キャッシュレスになる日は来るのでしょうか?



■ 知らないと損する! キャッシュレス消費者還元事業(ポイント還元)とは? 参加企業、決裁事業者、店舗の動きは?

政府もキャッシュレス化を後押しています。

民間企業のキャッシュバックとは別に、2019年10月1日から、政府のポイント還元が始まるのです!

キャッシュレス消費者還元事業(ポイント還元)という動きで、なんと総額 2,798億円!! これ全部、税金で賄われている、いわゆる補助金です。元はみんなが払った税金なんだから、使わないと損ですよね(笑)。

キャッシュレス消費者還元事業(ポイント還元)の中の一般消費者に関係がある、ポイント還元制度だけでも知っておきましょう。

期間:2019年10月1日から、2020年6月30日まで(9か月間)
ポイント還元率:通常5%
(一部、対象外の商品あり)
(フランチャイズ店やガソリンスタンドなどは2%の還元率となります)
対象店舗と決裁手段:お店ごとに異なる

お店側がこの制度に参加していることが前提です。さらに、使える決裁手段もお店ごとに登録した方法に限定されます。自分が使いたいお店や決済手段がポイント還元の対象になっているか、事前に確認しましょう。

お店側も混乱を避けるために、わかりやすいポスターなどを掲載する予定です。また、共通のホームページから、対象店舗と決裁手段が地図上から確認できるようになる予定です。スマホアプリも登場しそうですね。

お店側には、さらにメリットがあります。

  • 決裁端末の導入費用が実質無料になる
  • 決裁手数料が2%台以下と低く抑えられる

これによって、一斉に小規模のお店でも、キャッシュレス決裁ができるようになると期待されています。

みなさんも、お店で「キャッシュレス使えますか?」と聞いてみてください。そうすれば、お店側も、そろそろ対応しなきゃとプレッシャーを感じて、どこでもキャッシュレスが使えるようになる筈です。

訪日外国人の対応、いわゆるインバウンド需要を取り込む動きも活発です。海外ではキャッシュレスが当たり前。カード使えないお店なんて入りたくない、という旅行客の人も多い筈です。キャッシュレス対応しています、と看板にマークを貼るだけ手、外国人旅行客が大勢押し寄せる人気店になるかもしれませんね。この流れには、乗っかりたいところです。

キャッシュレスの決裁事業者、Origami Pay(オリガミペイ)、PayPay(ペイペイ)、メルペイなど、次々にキャッシュレス消費者還元事業(ポイント還元)への参加に手を挙げています。LINE Payだけまだ登録されていないようなのは気になりが、そのうち登録され、全てのメジャーなブランドは使えるようになることでしょう。



■ ガソリンカード、コンビニカードのポイント還元率は2%

キャッシュレス消費者還元事業(ポイント還元)では、コンビニなどフランチャイズ店のポイント還元率が2%になっちゃいます。コンビニなどフランチャイズ店は、大企業にあたる本部から、色々な支援を受けているということで、一般の中小企業とは同等に扱えないという考え方から、ポイント還元率が2%に抑えられているのです。じゃあ、地元のスーパーまで買いに行くかというと、近くて便利なコンビニがいいですよね。

さらに、コンビニではたくさんの決裁手段が使えるので、ポイント還元対象の決裁手段かどうか確認しましょう。ここからは、私の予想ですが、大手コンビニチェーンは独自のポイント還元キャンペーンをやって、5%以上の還元率にしてくるんじゃないかなと思います。そのくらいの財力はありますからね。

同じく、ガソリンスタンドもポイント還元率が一律2%です。大手ブランドの系列店かどうかは関係なく、ガソリンスタンドは一律2%のポイント還元なんです。理由はよくわからないのですが、ガソリン入れるのに、一般人はブランドを気にしてないからでしょうか。でも、ガソリンカードは独自のポイントもつくので、同じお店に行きがち。やはり、大手ブランドの系列店と、独立系のガソリンスタンドでは集客力に差があると思うのですが、いかがでしょうか。

■ 経済産業省(経産省)、政府方針のキャッシュレス・ビジョン、キャッシュレス推進協議会、キャッシュレス・ロードマップとは?

経済産業省は2018年(平成30年)4月に「キャッシュレス・ビジョン」策定(発表)しました。

2025年までに、キャッシュレス決済比率40%以上を目指す。さらに将来的には、世界最高水準の80%を目指していく。

という目標値が掲げられています。

また、キャッシュレス推進協議会という、経済産業省を中心とした産学官の連携組織は、「キャッシュレス・ロードマップ」を発表しています。政府・行政、民間企業、個人店、大学などの研究機関が、それぞれ協力して、日本のキャッシュレス化を推進していく、というものです。

なんだかよくわかりませんが、お金の匂いがプンプンしますね。政府が主導し、民間が実現していく、日本ならではの構図です。大手企業はこぞって参加しています。

こういった体制づくりや発表は、税金を使うための準備です。外堀を埋めて、これからいよいよ、税金を使って、キャッシュレス化を進めていく、ということですね。

一例として、今年のゴールデンには「キャッシュレスウィーク」という取り組みが実施されました。2019年4月26日から5月6日まで。これに参加した企業の決済手段や店舗では、ポイント還元が行われました。

知っていれば得する。知らないと、何も得られない。知らない人は実質的に損をしていることになります。元は税金ですから。

うまく、情報をキャッチして、うまく利用したいですね。無駄遣いしない範囲でね。



■ 結局、キャッシュレスの種類は、どれがいいの? 乗り遅れないためには?

結局、キャッシュレスの決裁手段が沢山あって、どれがいいの?という質問には、とりあえずスマホには全部入れておきましょう。と答えたいです。今キャンペーンをやっている企業は、今後も継続する可能性が高いと思います。

スマホに登録するだけならタダなので、とりあえず全部登録して、使わなくなったら削除すればいいでしょう。

それも面倒という人は、よく目にするマークの何か1つ登録しておくといいでしょう。財布を忘れたけど、スマホはある! というときに、助けてもらえると思いますよ。

■ キャッシュレスの未来とは?

現状では、カードやスマホを持ち歩く必要がありますが、近未来ではそれすら不要になることでしょう。

鍵は生体認証

結局、その人が本人なのかがわかれば、後は全てクラウド側で処理できます。顔認証や指紋、静脈認証など。さらには身体へのICチップ埋め込みなど。様々な可能性があります。

さらに、お金自体が無くなる未来も予想されています。お金とは、信用の証。その人が信用できれば、お金すら不要になるのです。

手ぶらで何でもできる未来。でも、常に見られているという面は、また新たなハードルかもしれません。それも、すぐに慣れるのが未来の世界です。

みなさんは、どこから始めますか?

ではでは。