退職金の確定申告は必要!【数十万円も還付!?】(freeeで入力、作成、書き方)

会社を辞めて退職金をもらった後、あまり収入がない場合、確定申告は必要! 確定申告不要という情報がありますが、退職金の確定申告をすることで、数十万円の還付金がもらえる可能性があります。

退職時に会社で「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人は、その他の収入が無ければ確定申告は不要となっています。それは国税庁の言い分で、確定申告してはいけないということではありません。退職金の確定申告で数十万円の還付金がもらえる可能性があるので、ぜひチャレンジしてみてください!

元オタク少年のshigeも脱サラ組。今年は本格的に確定申告しました。会計ソフトのfreeeを使っているので、簡単に確定申告書をつくることができる。と思っていたら、その他の収入と退職金を合算して確定申告する方法が意外に面倒だったので、その内容をお伝えします。

今回色々苦労しながらも、他の所得、控除に加えて退職金を合算して、みごと還付金の増額に成功しました。知識がないと、退職金を合算して還付金が増えるかどうかすら、簡単にはわかりません。そのあたりを含めて、ノウハウをお伝えします。科学ネタじゃないけど、たまには真面目なネタもいいかな。



退職金は確定申告が必要です。確定申告不要という話にダマされないで!

退職時に会社で「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人は、確定申告不要と言われています。

国税庁のHPにも載っている、退職金の確定申告での扱い(確定申告不要論?)

退職金の支払を受けるときまでに、「退職所得の受給に関する申告書」を退職金の支払者に提出している方は、源泉徴収だけで所得税及び復興特別所得税の課税関係が終了(分離課税)しますので、原則として確定申告をする必要はありません。
出典:国税庁 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_3.htm

国としては、既に源泉徴収で納税してもらっているので問題ない。でも、税金を払う方としては、確定申告することで、還付金が増えることがあるんです。国税庁は、税金が減ること(節税)について教えてくれません。



退職金がある場合、確定申告で還付金が増えるかどうか、簡単に見分ける方法

freee等の会計ソフトを使っていれば、年間の売上、経費を入力した後、ほぼ自動で確定申告書を作成できます。そのとき、第一表の左側の数値に着目

(所得金額の合計)-(所得から差し引かれる金額の合計)

この引き算した金額がマイナスになる場合は、還付金が増える可能性が高いです。

(所得から差し引かれる金額の合計)というのは控除額の合計。つまり、課税対象の所得額より、控除額の方が多いということなので、このマイナス分も還付されるように思いますが、そうはならない。この時点で、税額ゼロと計算することになっています。

還付金は、給与や売上から源泉徴収されている分だけになります。




以下の手順で、退職金情報を入力する前の状態で、税金の還付金の額をメモしておきます。PDFに出力して差分を比較できるようにしておくとベターでしょう。

退職金の確定申告を、会計ソフトfreeeを使って手入力する手順

まず以下の説明は、退職金以外の入力は完了していることを前提にしています。売上、経費などは入力済。社会保険、生命保険、医療費などの控除対象となる金額も入力を済ませてから、以下の手順を実施してください。

退職金関連の金額、情報を手入力することになります。一部の計算も手計算した結果を入力します。金額を間違えないように注意しましょう。




退職金の源泉徴収票を用意する

退職時に会社から発行されます。もし、紛失した場合は、会社に再発行をお願いしましょう。普通の会社なら、再発行可能です。

shigeも再発行をお願いしたら、後でファイルに挟まっていたのを発見! おかげで控えができましたが、そんなこともあるので、わかるところに仕舞っておきましょうね。

退職金の源泉徴収票が複数ある場合

退職金が複数あり、源泉徴収票も複数ある場合があります。shigeの場合、会社と会社の年金基金の2か所から振込があり、源泉徴収票も2通ありました。

こうなると、確定申告も複雑になります。なんでも、国税庁のWebで確定申告書をつくれる「確定申告書等作成コーナー」では対応していないそうです。freeeでは入力できますので、安心してください。




freeeの〔確定申告書類の作成〕ページを開く

1.〔確定申告〕→〔確定申告書類の作成〕ページの〔確認)ステップを開く
2.『直接入力編集へ』をクリックし、「確定申告書B」のタブを選択

freeeの〔確定申告書類の作成〕ページから、第一表の内容を編集する

3.『住所など基本情報を編集』から『種類』の『分離』を『該当(手入力)』と選択
4.【保存】をクリック

freeeの〔確定申告書類の作成〕ページから、第二表の内容を編集する

第二表から、いよいよ金額を入力していきます。複数入力する欄があるので、1つずつ項目を確認しながら、間違えないように注意しましょう。詳しくは、こちらのマニュアルを参考にしてください。

分離課税の所得を申告する(第三表) > 退職金を受け取った場合の記入方法
https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/115005737343#h_5143093252891514266868715

  • 第二表
    • 所得の内訳
      • 所得の種類: 退職
      • 種目・所得の生ずる場所又は給与等の支払者の氏名・名称: 支払元の会社名等
      • 収入金額 : 源泉徴収票の「支払金額」
      • 所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額: 源泉徴収票の「源泉徴収税額」




源泉徴収票が2つ以上ある場合は、項目を分けて、それぞれ入力します。

freeeの〔確定申告書類の作成〕ページから、第三表の内容を編集する

第三表の内容を編集するには、別タブを選択します。入力項目が多いので、以下のマニュアルを参考にしてください。

分離課税の所得を申告する(第三表) > 退職金を受け取った場合の記入方法
https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/115005737343#h_5143093252891514266868715

  • 収入金額 : 源泉徴収票が2つ以上ある場合は、その合計額を計算して入力
  • 所得金額 : 退職所得の金額を計算して入力(*1)
  • 税金の計算 : マニュアルに従って、税金の額を手計算して入力(*2)
  • 所得の生ずる場所 : 源泉徴収票が2つ以上ある場合は、その合計額を計算して入力

のそれぞれのパートに金額を入力していきます。




退職所得の金額(*1) の計算方法

退職所得の金額は、原則として、次のように計算します。
(収入金額(源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額

出典:国税庁 退職金を受け取ったとき(退職所得)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm

税金の計算方法(*2)

第一表で計算した所得額、控除額の差と、退職所得から、新たな(課税される所得金額)を計算します。足し算、引き算した後の金額から、1,000円未満の端数を切り捨てた数字が入力すべき金額です。端数を切り捨てるところをお忘れなく!




次に、その(課税される所得金額)に対応する税率、控除額を使って、税金を計算します。税率と控除額は以下のサイトを参考にしてください。

国税庁 退職金と税
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_3.htm

以上で入力完了です。もう一度、最初の手順から、見直して、金額が間違っていないかチェックしましょう。shigeはこの段階で、計算ミスに気づき、修正しました。

どこで、どう間違えたか、もうわからなくなっていますが、2回、3回、と見直した方が安全ですね。

間違いなければ、確定申告書をPDFに出力して、印刷すれば完了です。

退職金の確定申告で、どれだけ還付金が増えたか確認しよう!

退職金情報を入力する前と後で、還付金がどれだけ増えたか確認しましょう。ついでに、どの項目がどれだけ変化したか比較してみると面白いです。




shigeの場合は自分で手計算で試算してみると、1万円くらいの差だったので、期待してなかったのですが。実際は数十万円も還付金が増えてラッキーでした。それだけ今期の利益が少なかったということですが。トホホ…

退職金の確定申告は、電子申請か、紙で申請か?

最後に、確定申告書の提出方法について。

現在すでに、電子申請が主流のようです。マイナンバーカードをつくって、パソコンからICカードリーダーが使える環境であれば電子申請の方が楽でしょう。ICカードリーダーがなくても、ID,パスワードを事前発行していれば、電子申請できます。




shigeは紙で提出。おそらく、来年は電子申請にすると思うので、最初で最後の紙での申告です。

てなことで。ちょっと大変だけど、得るものは大きいかもしれない。確定申告のお話でした。




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