JR東日本が2,3年後に導入計画している「タッチレス改札」とはどんなものでしょうか? タッチしない改札、タッチレスゲート。カバンやポケットからICカードやスマホを取り出さなくていいので便利になりますね。
現在の改札はタッチ式が主流。開発したのはソニー(SONY)、Felicaという無線方式が全国的に使われています。
「タッチレス改札」とは、天井から電波を発してスマホとやりとりする
スマホをポケットに入れたまま、改札を通過するときに、天井のアンテナとスマホが通信して、改札が開くという仕組み。なんだかよくわかりませんが、ポケットからSuicaカードやスマホを取り出す必要がない。
どこまで楽になればいいかのかと、人間の堕落、行く末が心配になったりしますが。これも世の常でしょうか。
まだ2~3年後のことなので、慌てる必要はないです。来年から一部で実験するかも、ということで、一般の人は関係ないかもしれませんが、どこかでそんな変わった改札を見られるかもしれませんね。
JR東、タッチレス改札導入へ アプリを活用、来年にも実証実験
改札機にタッチもせずに乗客が通過できる「タッチレスゲート」を2~3年後に導入する方向で検討している
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191127-00000160-kyodonews-soci
「タッチレス改札」のメーカーはソニー(SONY)中心で、通信規格は「Transfer Jet X」らしい
メーカーは、ソニーと日本無線がメインで開発中みたいです。Felicaで培った市場は逃さない戦略。当然ですよね。ここまでICカードが普及したのはソニー(SONY)の功績が大きい。今後さらに決済系に使われるでしょうから、ここは絶対に死守したいところです。
ところで、天井から発する電波で、人が通ったことを検知するというのは、結構技術的に難しい気がする。改札を通る前後の人と間違えないのか、そこだけ心配です。
改札でキンコンキンコン、アラームが鳴ると結構ショック。自分はちゃんとしているのに、前か後ろの人がひっかかって、自分も巻き添えとか、イヤだな。
タッチレス改札の通信規格は「Transfer Jet X」(IEEE802.15.3e)
ソニーの近接無線が再始動、JR東と次世代改札機を試作(2017/08/21)
https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/mag/15/320925/080700172/10Gbpsを超える超高速近接無線通信を国際標準規格化(2017/06/23)
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1706/23/news032.html
ソニーの他、日本無線、NTT、東芝が協力して開発しているようです。技術的には2年前に標準化が終わりましたと発表されている。そこから実用化までには、結構長い年月がかかるんです。おじさんたちが日夜頑張ってます。そんな影の努力によって、社会は支えられてるんです。少し感傷気味。
10Gbpsを超える超高速近接無線通信「IEEE802.15.3e」として、国際標準規格化を完了しています。接続時間が2ミリ秒以下で、10Gbps以上の通信が可能とか。人が持って使うには十分な速さです。
改札を通るたびに、映画1本ダウンロードできてしまうくらいの速度。ムダに速いです。持て余す性能から、新しいサービスが生まれそうです。
ミリ波という周波数の高い60GHz帯の電波、人体への影響は?
改札とスマホの間の通信には、60GHz帯という周波数の高い、ミリ波と呼ばれる電波が使われるようです。現在、携帯・スマホに使われている電波は数GHzの周波数が多い。10倍くらい高い周波数で、あまり使われたことがないので、人体への影響がどうなるか、まだよくわかっていない。
一応、実験では大丈夫ということらしいですが、「安全性バッチリ」という報道は過剰です。大きな問題が今のところ見つかっていない、というのが本当のところ。大丈夫と断言するような言い方は、疑った方がいいですね。人工的なもので、安全性100%のものは無いです。残念ながら… 便利になれば、その分リスクも発生します。そういうものだと割り切らないと生きていけないですね~
正直、電波の問題は不安を上げていたらきりがない。現状でも膨大な電波を浴びています。心配なら、人工的な電波が入らない山奥へ、という選択しか無さそうです。
タッチなら、誰のカードでエラーが起きたかわかりやすいけど、タッチレスだと、誰だよ!みたないトラブルが起きるかも。便利な裏には、面倒なことも潜んでいそうです。
ともかく、2,3年先とのことなので、なんで今発表なのか、そっちの理由の方が気になりますね。
一般人への影響は? 準備しておくものは?
先の話なので、今準備するものはありません。
スマホとクレジットカードがないと使いづらいかも
変化があるとすると、Suicaカードだけでは対応できないので、スマホが必須になりそうです。ガラケーとか、いまだにアナログな人は要注意ですね。スマホ持ってないと電車にも乗れない?
おそらく10年くらいはSuicaが使える改札も残ると思いますが、かなり端の方まで行かないと使えないとか、段々不便になるかもです。
カード決済が基本になりそうな予感
さらに決済はプリペイドではなくて、カード決済が基本になるんじゃないかな。銀行口座を登録でもいいけど。とにかく、カードにチャージというスタイルではなくなる気がする。スマホを使う前提なら、チャージすること自体が面倒に思えるので、決済が全部オンラインに移行すると思います。
これで、チャージ不足という問題が劇的に減ります。改札で足止めになる人の多くがチャージ不足。流れがスムースになって、いいでしょ。と企画した人は満足げです。そんな姿が思い浮かぶ。全部、shigeの妄想ですが、結構現実になるんじゃないかな。
JRなどサービスする側も、その方がありがたい。カードの個人識別機能と紐づくことで、消費行動のビッグデータを今以上に集めやすくなります。サービス向上のため、とかの口実でデータを吸い上げて、新しい広告宣伝やクーポン発行など、プロモーション、マーケティング活動に利用されるようになるでしょう。
便利になる代わりにデータを吸い上げられる。そういう狙いが裏に潜んでいそうです。
SUICAなどタッチ式カード、よくある誤解!?
JR東日本「Suica」、JR西日本「ICOCA」、JR東海「TOICA」、JR北海道「Kitaca」、JR九州「SUGOCA」、首都圏「PASMO」、関西「PiTaPa」、名古屋「manaca」、福岡「はやかけん」、西日本鉄道「nimoca」など、名前はバラバラですが、無線通信の部分は共通。SONYが開発したFelicaという技術が使われています。
Felicaの特長は、処理が速いこと。タッチ一瞬で、改札が開く
Felica方式がここまで普及した理由は、他の方式に比べて処理が速いこと。タッチする一瞬で、そのカードで通れるかどうか処理して、改札がサッと開く。ここでモタモタしてたら、人がつっかえちゃって、渋滞になりますからね。
チャージ不足でエラーになる人がしばしば、プリペイドの課題
改札でつっかえている人の多くは、チャージ不足。余裕もってチャージしとけよ!と言いたくなるけど、そもそもプリペイド方式で、予めチャージしておく必要があるのが根本的な問題。
クレジットカードなどと紐づけておけば、チャージ不足って基本的に起きない。新しいタッチレス改札では、スマホが前提ということなので、おそらくクレジットカード登録が必須になるんじゃないかな。そうなると、チャージ不足の問題も解消。
タッチの仕方がダメな人、カードを「かざす」ではなく、「しっかりタッチ!」
改札で足止めになる、もう1つの要因は、タッチの仕方がダメな人。SuicaなどのFelica方式は、カード側には電池がない。電池なしで、無線通信しているって、凄いことなんですよ!ほんとに。オタク少年もビックリ!
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SuicaなどのICカードで電波を受信する
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受信した電波のエネルギーを使って、ICカードの中で発電する
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発電した電気を使って、改札と通信する
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ICカードと改札の通信処理が正常に終わって、改札が開く
こんな処理を一瞬のうちにやってます。一瞬と言っても、0.5秒くらいかかる。そこは多めに見てください!
改札から出ている電波を使って発電しているので、ICカード内の電気が安定するまでに、ほんの少し時間がかかる。この間に、カードを動かされると、発電エネルギーが安定しないので、改札との通信がうまくできない。だから、エラーになるんです。
Suicaが登場した当初はカードを「かざす」だけ、というキャッチフレーズがありました。これを真に受けた人が、いまだにタッチせずにかざすだけ。さらに勘違いしている人は、改札のところで、カードをゆらゆら揺らしている人もいます。技術的には、迷惑意外の何物でもない。ゆらさないで! じっとしてて! と言いたくなる。ICカードの気持ちを代弁して力説してしまう、元オタク少年のshigeです。
しっかりタッチしてもらうために、カードをタッチする部分が少しナナメになっていて、一瞬止まるようにデザインされているんです。気づいてましたか。あそこに、本当にタッチするのが正しい使い方。ちょこんとタッチ。その目的は、カードの位置を止めることです。そのとき、ICカード内で小人さんが、一生懸命、発電している姿をイメージしてください。ほほえましいでしょ。ちょっとほっこりしながら、笑顔で通って欲しいですね。
ICカードには電池が入っていないので、一旦止めてほしい、ということからタッチ式となりました。タッチレス改札では、スマホが前提で、端末側に電池が入っているので、改札を通る前後から安定した無線通信ができます。だから、タッチしない、立ち止まらない、ということが可能なんです。スマホがこんなに普及したから、実現できる。
スマホを持たない人が、タッチレス改札を通るときに、どうするのか、ちょっと考えものです。スマホ難民とか言われちゃうのかな。
JR東日本の未来像「変革2027」より
JR東日本グループ経営ビジョン「変革2027」
https://www.jreast.co.jp/investor/moveup/
タッチレス改札の他、「ゲートレス」と呼ぶ、いわゆる改札がないタイプも検討しているようです。す~っと駅の中に入って行けて、勝手に課金される。便利なようだけど、間違って課金されたら、マジむかつく。
もし、スマホ持ってない人が入り込んだら、どうするんですかね?後から追いかけていって、呼び止められるのかな? 顔写真を撮られて、指名手配みたいにブラックリストに載せられるのはイヤだな。
明るい未来だけど、困る人も出て来るので、新たなケアが必要ですね。
ではでは~
コメント
はじめまして。
こちらの記事を拝見して、Suicaの凄さを実感しました。ありがとうございます。
5Gについて調べているのですが、駅のタッチレスゲートにも関わりはあるのでしょうか。
また、5Gにつきまして、shigeさんの見解などをお聞かせいただけるとうれしいです。今後、駅や街でどのように世の中に発展していくのか。(ぼんやりとした質問ですみません)
よろしくお願いします。
せむ さん
コメントありがとうございます。元オタク少年のshigeです。
5Gと駅のタッチレスゲートは、直接関係しないと思いますが、電波を使うサービスとしては補い合う関係になるかもしれませんね。
今回、JR東日本が採用しそうな方式はソニー(SONY)や日本無線が協力して開発中で、60GHz帯の電波を使います。携帯・スマホが使う5Gの電波というよりは、WiFiが将来的に使う可能性のある周波数帯域です。WiFiにも仲間の規格がたくさんあって、タッチレスゲートで使われるTransfer Jet Xもその仲間です。
5GとWiFiは補い合う関係で、5Gでは伝えきれない情報をWiFiで伝える、ハイブリッド型が検討されています。5Gオフロードと言ったりします。駅の改札を通るたびに、大容量のビデオを瞬時にダウンロードするなどの使い方が考えられます。
将来の規格は融合されたり、併用されたり、複雑になっていきます。あまり区別なく一緒に使われるようになるかもしれませんね。新たな視点に気づかせていただき、ありがとうございました!
shige