こんにちは。元オタク少年のshigeです。今日は、深海に住む菌類「深海真菌」のお話。そんなの興味ないよ~って言わないでね。私もそうなんだからw。でも、深海真菌って、地球の未来を救う凄いパワーを持っているとか。だから、他人事じゃないってことだよね。
深海菌ハンターの美女も登場するよ。NHK サイエンスZEROからお伝えします!
NHK サイエンスZERO
地球を救う!?神秘の生物「深海真菌」
(2019年10月13日放送)
【司会】小島瑠璃子,森田洋平
【ゲスト】海洋研究開発機構 研究員 長野由梨子
【語り】大嶋貴志
https://www4.nhk.or.jp/zero/
海洋研究開発機構(JAMSTEC)研究員 長野由梨子さんが深海真菌の世界をご案内~!
深海真菌のプロフェッショナル。長野由梨子さんは真菌にほれ込んだ美人研究者です。お子さんもいらっしゃるとか。働くママさんでもあります。
出身大学は、イギリス北アイルランドのクィーンズ大学ベルファスト(The Queen’s University Belfast)大学院で博士号 (Ph.D.) を取得されています。凄い経歴ですね。
長野 由梨子
専門分野:微生物学
研究のテーマ:深海環境における真菌多様性解明とその機能探索
学歴:平成19年7月 Queen’s University, Belfast, PhD course
https://www.jamstec.go.jp/deepbio/j/members/nagano_yuriko.html
ニコニコしながら、カビのサンプルを出されると、ドキドキしますね。何なんだろう、このエネルギーは?って思います。でも、笑顔がすてきです。
深海真菌から、病気の予防や治療に利用できそうな真菌が続々と発見されている!?
真菌とは、カビやキノコの仲間。深海でもカビは生息してるんですね。カビは光合成しないですから、光がほぼ無い深海でも生き続けられるということ。
ずら~っと真菌のサンプル・シャーレが並べられて。どうです、きれいでしょ。と言われても、おじさん、ちょっと引いちゃいます。ピンク色や緑色など、明るいパステルカラーのカビもいますね。深海なのにカラフル。光がないのに美しいって、なんか神秘的です。
新しく見つかった真菌や、真菌が生成する物質から、病気の予防や治療、食品の保存にも使える成分が見つかっています。新しい化学の可能性を広げる研究です。
まだ誰も見たことも、触ったこともない、未知の世界だから、何が出て来るかわからない。ワクワクしますね。
サルコペディウム属の新種が放つ、抗腫瘍作用を持つ(ガンに効く)新規化合物が発見された!
なんだか名前が長いですが、深海から見つかったカビを培養してみると、ガンに効く、ガン細胞の活動を抑える化学物質を出すカビが見つかった、ということ。このカビも使えますし、新しく見つかった化学物質を分析して、その効果やガン細胞に与える影響を調べるなど、様々な研究材料に使うことができます。つまり、新たな研究テーマが見つかるということ。
これは、ネタ切れの作家が、締切に追い立てられている状況で、新しいアイデアが降ってきた! みたいな感じです。
アスペルギルス属のカビから、カンジダ症の原因菌の増殖を抑える化合物を発見!
色々な病気に効く物質が見つかってるんですね。
ところで、化学物質と化合物って、何か違うのかな?
化学物質(かがくぶっしつ、chemical substance)とは、
- 原子、分子および分子の集合体や高分子重合体のような、独立かつ純粋な物質。混合物や不純物が多いものは除外される。特に化学が研究対象とするような物質。
- 元素または化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化合物。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
化合物って、化学反応の結果できた物質で、水分子なんかも含まれる。化学物質はより広い定義で、複数の分子が集まったものも含まれる。ということらしいです。
化学物質に化合物は含まれる。化学物質の方が、範囲が広いと思えばよさそうです。
地上と同じ菌類でも、深海では、まったく違う化学物質を放出することがある
周りの環境によって、菌の活動が変わるみたいで、地上とはまったく違う化学物質を出すことがあるそうです。面白いですね。
でも、地上に引き上げたあとに、どうやって深海の環境をつくるのか、謎です。化学物質を先に分析して、あたりをつけるのかな。色々苦労がありそうです。
一押しの真菌は、マイナス80℃で冷凍保存されていた
色々なサンプルはマイナス80℃でカチンコチンに冷凍保存されています。今回は特別に開けて見せてくれました。
長野研究員イチオシの真菌は、深海キノコ「アリシア・ロンジコーラ」
こんどは、カビではなく、キノコ?
深海にキノコっているの??
という感じですが、キノコだと言うんだから、信じましょう。
南西諸島沖の深海500mに丸太やココナッツを埋めて、4年間放置培養
4年後に取り出してみたら、未知のキノコが生えていた。というから、オドロキです!
よく、4年もジッと待ってられましたよね。
実験のたびに、毎回、新しい菌が見つかっているそうです。お宝ザクザクって感じです。
ブラジル沖へ日本の深海調査船「しんかい6500」が出張、新たな真菌探し
ブラジル沖を選んだのは、原油が湧き出ている箇所があるから。原油が湧き出るあたりに、独自の生態系が発達するんだそうで。色々な未知の生物が見つかる可能性があるってこと。へぇ~って感じ。
見つけたのは、原油の塊。アスファルト。アスファルトって、油の塊だったんだ!
そこには、変わった形のキノコ!?
原油が湧き出る、熱水噴出孔には、硫化水素・メタンなど栄養分がたっぷり。これらをエネルギー源とする深海生物が集まって来て、「化学合成生態系」を形成している
熱と栄養分が、たくさんあるってことですね。こりゃ、生物もたくさんいそう。
深海のヒトデやタコを掃除機でスポっと吸い取り、捕獲
深海のサンプルを持ち帰るために、掃除機みたいな装置で、スポっと吸い取り、カゴの中へ。効率いいですね。ロボットアームみたいなので掴むのかと思ったら、掃除機とは。いや~、触りたくないですからね。
研究者の目の色が変わった、夢のような海のオアシス「鯨骨生物群集」を発見!
クジラの死骸が深海に沈み、骨になったあと、その骨を栄養分として生息する生態系が生まれます。その「鯨骨生物群集」を見つけました。すごく珍しいみたいです。研究者は「夢のよう!」とうっとり。私には、ちょっと避けて通りたい、不気味な海底にしか見えないんですけどね。良かったです、好きな人がいて。
なんだか、気の遠くなる話ですが、生物にしてみれば死活問題。ここぞとばかりに、群がって、クジラの骨をいただきます。まさに、骨の髄までしゃぶる、って感じ。1つもムダにしません。いっただきま~す!
長野研究員が探していた「抗ミズカビ材」が見つかりそう
ブラジル沖から採取したサンプルから、「抗ミズカビ材」の候補が見つかりそうとか。鮭の卵なんかについて腐らせちゃうミズカビの対策に活躍しそうです。
探していた物質が、たまたま見つかる。ラッキー。長野さん、持ってますね!
https://twitter.com/takasimu3838161/status/1152952608279019521
夢は広がる。今後は、プラスチックを分解する物質を探したい!
長野研究員、今後は、プラスチックを分解する物質、菌類を探しているそうです。なかなか着眼点が壮大です。
分解が難しいとされるプラスチック。でも、もとは原油ですから。元に戻して、さらにエネルギー源として活用できれば、環境対策としてもエネルギー対策としてもすごく役立ちます。経済効果も無限大。夢が広がります。
実現すれば、ノーベル賞ものかもよ!
深海のヒミツ。いかがでしたでしょうか。不思議な世界は、まだまだ眠ったままかもしれません。これからも、研究テーマがたくさん待ってます。
ではでは~!