ハードウェア×ディープラーニングしか日本の勝ち目はない!?(高専ディープラーニングコンテスト、NHKサイエンスZEROより)

今日は、全国高専ディープラーニングコンテスト2019の話題。今週のNHKサイエンスZEROは、8月に放送された内容のリクエスト再放送でした。

このコンテストを企画した東大の松尾先生。なぜ高専なのかと言えば、ハードウェアの技術を持っていて、メチャメチャ優秀だから。日本がAI(人工知能)で世界トップを取るには、ハードウェア×ディープラーニングしか勝ち目はない、とバッサリ。

さらに、大学生もディスってます。頭でっかちで色々考えすぎ、手が動かないと。まあ、これは演出上の表現でしょうが。早く手を動かした方が、成功確率が高いと。少し過激な発言ですが、グッと来ました。

こんばんは、元オタク少年のshigeです。私が若い頃は第二世代人工知能の真っただ中で、知識ベースの研究が盛んでした。もう死語のナレッジエンジニア(NE)という言葉で、次世代のSE(システムエンジニア)を育てるようなことをやっていた時代。そんな昔の話はいいや。

ともかく、次世代の日本を代表するようなベンチャー発掘企画。その展開を見ていきましょう。



サイエンスZERO「日本を変える!全国高専ディープラーニングコンテスト」
2019年11月3日(日) 午後11:30~午前0:00

【司会】小島瑠璃子,森田洋平
【ゲスト】東京大学 教授…松尾豊
【語り】川野剛稔
高専生が人工知能を使った新ビジネスを提案するコンテストDCON(ディーコン)。ベンチャー投資家が「企業価値」をリアルに算定、驚きの金額が!小島瑠璃子も参戦!?

企画者の1人でAI研究の第一人者、東京大学・松尾豊教授が大会に込めた思いを語る。日本が人工知能ビジネスで世界と競い合っていくためのカギとなるものだという。まさに「日本を変える」未来志向の大イベントの幕開けだ。

ハードウェア×ディープラーニングしか日本に勝ち目はない!?

インターネットの世界は米中が独占状態。GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)、BAT(Baidu、Alibaba、Tencent)などが市場を席捲しています。人工知能(AI、ディープラーニング)もインターネットをベースにした市場は、もう日本が追い付けない状態。

日本がAI(人工知能)で世界トップを取るには、ハードウェア×ディープラーニングのかけ算、融合領域しかほぼチャンスがない勝ち目はない、と松尾先生。

なかなか、わかりやすい説明です。可能性があるというには、かなり無理のある説明ですが、あえて可能性として挙げているのでしょう。



高専生が有望なのは、手を動かすのが早い! ハードウェア、ソフトウェア、ディープラーニングが分かる20歳は、とても希少、世界にいない人材!

DCONの決勝戦はプレゼンテーション形式!

ディープラーニングコンテストなのに、最後はプレゼンで勝敗を決める。結局プレゼンがうまい人が優勝しちゃうんじゃないかと。ちょっと心配です。

技術的にきちんと動くものができているかは、別途審査しているのかな。と、余計のお世話ですが、心配になってきました。

VC(ベンチャーキャピタル)に認められるにはプレゼンが一番重要、という実践的な視点

実践の場では、VC向けにプレゼンして認めてもらう必要があります。だから、コンテストもプレゼン形式なんだとか。



このあたりは、コンテストだけではなく、ものの考え方自体を提唱している感じです。DCONが技術の大会ではなく、技術をビジネスに結び付けることをゴールにしている。だから、VCを呼んでプレゼンさせているんですね。本当に豪華な舞台です。

送電線点検ロボット(香川高専、準優勝)

高圧送電線の上をロボットを走らせて、送電線の画像から、異常を検出する。工夫したのは正常データだけを学習させて、信頼度が下がった部分を異常として認識させたこと。異常部分の教師データが不足していたことを逆手にとった手法です。

なかなかやりますね。それでうまくいくかどうかは、実験してみないとわかりません。ともかくやってみる、というチャレンジ精神が活かされています。



競合が出てきたとき、どうするのか?という問いに、四国電力と共同実験中。共同で特許も出願中、というアピールをしてきました。ドヤ顔ですね。

でも、数件の特許で全ての技術範囲やビジネスモデルをカバーするのは難しいです。特許があるから、安心とは言えないのです。ま、そんな現実的なことを言っても仕方ないですけどね。

アナログメーターの自動点検(長岡高専、優勝)

工場などにたくさんある計器類。アナログのメーターがたくさんあって、人間が1つずつ見ながら点検するのは大変。そこで、カメラで撮った映像からAI(人工知能、ディープラーニング)を使って自動認識、自動点検するというアイデア。

実は、これが優勝していしまうのですが、大丈夫でしょうか?

これに似たソリューションは既に複数の企業から商品化されています。日立、富士通、NEC、岩通、NSW、GMO、などなど。実績も無い中で、どうやって差別化するのか、わかりません。

単なる監視による人件費削減だけでなく、大量のデータ蓄積によって、装置の稼働率を上げるためのアイデアを生み出したり、異常予兆など新たな付加価値が生まれる可能性がある。そりゃ、そうですけどね。



来年のDCON2020は、2020年 4月 20日(月)~23日(木)4日間の激戦に!?

今回、はプレコンテストということで、形式をデモンストレーションした感じです。来年2020年も開催されます。

全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト(DCON 2020)
https://dcon.ai/

2020年 4月 20日(月)~23日(木)
日本橋室町三井タワーなど
※技術審査および最終審査会

来年は技術審査と最終審査会で4日間もやるんですね。コンテストというよりは、お祭りの感じ。学会とビジネスがむずびついた感じです。VCもお金余ってますから、1憶円くらい、すぐに出すかも。本当に面白くなってきました。来年が楽しみです!

ではでは