ちまたで、変なニュース記事が話題になっています。論理的におかしいので、一言いいたい。
人間の上司より、AI上司の方が信頼できる、という調査結果が出たとか。そんなの変でしょ!?
ということで、冷静に考えてみた。いつもと違って、真面目な元オタク少年のshigeです。と言ってみたかっただけかもww
ことの発端は、米IT大手企業のオラクル社と調査会社のFuture Workplaceが発表した調査結果
「マネージャーよりもロボットを信頼している」と回答した人が64%、日本では76%と平均より高め。
「ロボットの方がマネージャーよりもうまく物事をこなす」と回答した人は82%
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1910/16/news101.htmlオリジナルの英文の資料はこちら
https://www.oracle.com/corporate/pressrelease/robots-at-work-101519.html
https://www.oracle.com/a/ocom/docs/applications/hcm/ai-at-work-ebook.pdf
ここで問題なのは、ロボットとかAI上司の定義が不明なこと。
現状、業務の指示をしてくれるようなロボットもAI上司もいないのに、何と比較しているのかが、まったく不明。あったらいいな、の空想の話でしかありません。
現状、AIやロボットにできるのは、情報を機械的にチェックする程度
現状のAIやロボットには判断能力がありません。予め設定された基準値や条件と比較して、どちらが数値的に大きいか選んでいるだけです。
現状のAIには意味を汲み取った判断はできない
現状のAIは意味をまったく理解していません。意味がわからず、数値だけ比較して答えを出すってことは、右から左に情報を横流ししている無能上司と、基本的にやっていることは同じです。
違うのは、膨大なデータを瞬時に処理できることだけ。扱える情報量が桁違いに増え、さらに単純ミスがないので(プログラムやデータに問題が無ければ、という条件付きですが)、少し賢く見えるというだけです。
AIが出す感情に流されない冷静な判断に価値があるのか!?
人間であれば、一時的な感情に流されず冷静に判断できる人が凄い、という場面はあります。しかし、AIにはもともと判断能力が無いので、冷静もなにも、そんなところには価値は生まれません。むしろ、人間が気づかないような飛躍したアイデアが出て来ることに期待が大きい。
それなのに、冷静な判断をAIに求めるのは本末転倒です。よっぽど人間の理不尽さに嫌気がさしてるんでしょうね。
ルールチェックは、現在のシステムでも多様されている普通のこと
現在のシステムでも、業務プロセスに合わせたルールチェックをたくさんやっています。データ入力したら「ここ未入力です」とか「ここの入力が間違ってます」とかエラーが出たりしますよね。
もっと複雑な処理もあります。たとえばクレジットカードの与信調査。この人は、これこれの理由で不適切です。とか。その後人間がチェックするかどうかは、状況によりますが、きちんと作りこまれたシステムなら、人間より正確にかつ超高速にエラーを見つけてくれます。
ただし、ルールチェックと意思決定はまったく別物。ルールチェックだけしている上司なら、AI化されても全然おかしくないですけど。それは、もう昔からやってることです。できていないとしたら、IT化が遅れている、というだけですね。残念~
結局、こういった提灯記事が話題になるのは、人間上司への不満が原因
いかに人間の上司に不満が向っているか、ということです。とくに、管理職の在り方が問われています。
理不尽な管理職はいらない、特に中間管理職が嫌われる
根拠もなく、ダメ出しする上司。無能なくせに、情報を右から左に流しているだけ、管理しているフリの中間管理職は嫌われます。
今の上司がいやだから、AIの方がまだマシ。という現実逃避。これじゃ、ダメだ~
役に立たない中間管理職はAIに代替され、いなくなる! 管理職の未来
機械的な処理ばかりで、何も付加価値を出せていない中間管理職は、AIに代替される可能性が大きい。AIを待つまでもまく、普通にIT化されて、本当にいらなくなる。そんな管理職の未来は、あっという間になくなってしまうでしょう。
効率化を追求すると、弊害もある!
もう少し背景にあるのが、効率化の追求。なんでも効率化できると思っている。市場トレンドがそっちに向かっているので、仕方ないけど。でも、効率化できる領域とできない領域があるんですよ。人間が介在するかぎり、効率化には限界がある。
上司をAI化する前に、部下がAI化されるかも
上司がAI化されたら、と心配して記事が話題になっているようですが、そんな技術が実用化される時代には、まっさきに部下の職が奪われている。部下の業務を自動化する方がずっと楽です。
つまり、人間が介在するから効率が制限される。究極的な効率を目指すのであれば、無人化の方向へ向かいます。AIと人間がギクシャクしながら働くって、とっても非効率なんです。だから、経済的にはありえない。
そういう原理を理解していないと、ムダな議論が起きます。
オラクルのステマ戦略は一定の成功と言える
オラクル社、最近はGAFAに押されて話題に上がることが少ない。ここで一発逆転を狙って、話題性のあるネタをぶち込んできたというのが本当の背景でしょう。内容なんて、どうでもいいんです。オラクル社が目立ちたかっただけ。
オラクル社のステマ戦略です。話題になりさえすれば、オラクルの勝ち。そんで、我々はまんまとその罠にはまっているわけです。shigeが書いているのは便乗商法。てへ(汗)
てなことで、ひさびさに真面目に、少しふざけて書いてみました。AIに関する話題、ちょっとひねっただけで話題になるのも面白いです。変な話に騙されないように、本質を見ていきましょうね。ではでは~