はやぶさ2君が、またまた、やってくれました!
2019年5月28日~30日の「ターゲットマーカ」分離、投下に大成功!
まったく問題なく、上手くいきすぎ。順調すぎて、ニュースにならない。超凄いのに、かえって注目されないのは残念です。
■ そもそも「ターゲットマーカ」って何?
ターゲットマーカとは、はやぶさ2が、小惑星「りゅうぐう」に近づいていくときに、正確な自分の位置を知るための目印です。
7月頃に、2回目のタッチダウンが行われます。狙った位置に正確にタッチダウンするために、「ターゲットマーカ」は重要な役割を持っているのです。というか無いと、タッチダウンできないのです。
表面は光をよく反射する素材でできていて、10センチくらいの球形です。
■「ターゲットマーカ」には18万人の名前が刻まれている
ちょっと話は横道にそれますが、「ターゲットマーカ」の中には、18万人の名前が刻まれた金属のシートが入っているのです。はやぶさファンの人達の寄せ書きみたいなものですね。頑張って~とか、メッセージを入れるスペースがなかったので、名前だけです。
それにしても、18万人もの名前を背負い、みんなの想いが詰まったターゲットマーカ。凄いですね。
■ はやぶさ2の現在位置は? 地球との距離は?
はやぶさ2の現在位置は、太陽をはさんで、地球の真反対です。地球と太陽の距離の約2倍くらい離れたところにいます。と~っても遠いのです。
そんなこと言われても、ぜんぜんイメージできないですよね。光の速度で片道15分もかかる距離です。光の速度ですよ!!
電波も光と同じ速度なので、地球からはやぶさ2へ、動け!と指令を出しても、それが届くのは15分後。はやぶさ2が、やばい!ぶつかりそう!と信号を送ってきたとして、それを地球で受信して、右へ!と信号を送り返していると、往復30分もかかってしまいます。そうこうしているうちに、本当にぶつかってしまいますよね。
ということで、はやぶさ2は自分で考えて動けるようになっているのです。そして、自分で動くときの目印が「ターゲットマーカ」というわけです。はやぶさ2は高性能のカメラを搭載していて「ターゲットマーカ」を捉え、自分の位置を正確に把握するのです。自分で判断して動く高性能ロボット。とっても、賢いのです。
■ 次の大イベントは2回目の「タッチダウン」
今回投下された「ターゲットマーカ」は、2回目のタッチダウン用です。
そもそも「タッチダウン」って何でしょうか?
はやぶさ2は、小惑星「リュウグウ」の調査をしているわけですが、リュウグウの表面に着陸することはないのです。着陸ではなく、タッチダウン。一瞬だけ表面にタッチして、すぐに舞い上がります。
ええ?って思われましたか? 着陸させないのは、はやぶさ2が壊れてしまうから!
リュウグウと接触している時間が長いほど、はやぶさ2が正しい姿勢を保つことが難しくなり、小惑星リュウグウとぶつかるリスクが高まります。だからタッチダウンの一瞬だけ接触する方法を取ります。
はやぶさ2は、リュウグウの表面のサンプルを地球へ持ち帰るのが最大の任務。安全に地球へ帰って来るために、はやぶさ2の機体にできるだけダメージが加わらないように、細心の注意が払われているのです。
■ 2回目の「タッチダウン」地点は、インパクタで生成したクレーター付近
はやぶさ2は、4月、リュウグウの表面にクレーターをつくることに成功しています。インパクタと呼ぶ、いわゆる時限爆弾のようなものを使って、リュウグウ上空で爆発させ、うまくクレーターができました。
2回目の「タッチダウン」地点は、このクレーター付近を目指しています。クレーター付近は、小惑星リュウグウの内部の物質が掘り起こされている筈です。つまり、1回目のタッチダウンでは採取できなかった、リュウグウ内部のサンプルが採れるかもしれないのです。
だんだん、話が長くなってきました。
今日は、このあたりで。
ではまた。